「事業承継なんて、まだ先のこと・・・」「現状で手一杯なので先のことを考える余裕は無い・・・」と先送りになりがちなのが事業承継対策です。
また、事業承継の課題は、家族間だけで話し合うよりも、第三者を交えて話す方がスムーズに進むことがよくあります。
当金庫を交えて、企業の将来について話し合ってみませんか。
事業承継とは?
事業承継とは“現経営者から後継者へ事業のバトンタッチ”です。
企業がこれまで培ってきた様々な財産(人・物・金・知的資産)を上手に引き継ぐことが、承継後の経営を安定させるために重要です。これらの財産を引き継ぐにあたり、自社にはどんな課題があるかを知る必要があります。
承継すべき視点
ヒトの承継
- 後継者
- 経営幹部
資産の承継
- 自社株式を含めた個人の財産
- 事業用資産(設備・不動産等)
- 資金(運転資金等)
目に見えにくい経営資源の承継
- 経営理念
- 熟練工の持つ匠の技
- 社長の持つ信用
- 取引先担当者との人脈
- 営業秘密
- 顧客情報
- 特許、ノウハウ
- 許可、認可、認証
承継での確認事項
企業の経営資源の状況
- 従業員数や年齢構成、資産金額と内容、技術、ノウハウなどの状況を整理したうえで、自社の強みと弱みを明確にしましょう。
企業を取り巻く経営環境とリスクの状況
- 市場や競合他社の動向など、企業を取り巻く事業環境を把握するとともに、その中で自社がどのような位置にあるかを明確にしましょう。
経営者の資産および負債状況
- 現在の経営者が保有している、自社株以外の個人所有の資産・個人保証などの状況も明確にしましょう。
後継者候補の状況
- 親族あるいは社内に後継の適任者がいる場合は、後継者としての能力や適性を評価し、本人の意思を確認しましょう。 適任者がいない場合は、外部から招くなど後継者探しが必要となります。
相続によって生じる問題点の把握
- 法定相続人を明確にし、相互の人間関係や自社の株式保有状況を確認するとともに、相続財産を特定しましょう。
事業承継計画書の作成
事業承継計画書の作成においては、企業の経営方針や経営目標を明確化したうえで、現在の経営者がやらなければならない課題を整理し、後継者との間で引継ぐ内容をスケジュール化することが重要です。
ここでは、事業承継計画書の作成手順をご紹介します。
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STEP01
企業の基本方針と承継計画
- 代表権を譲るタイミングや自社株についての方針、役員の交代等、基本的な事項を決めます。
- 分散している株式があれば、企業や後継者が買い取ることを検討しましょう。
- 事業の規模や利益など、中長期的な経営目標を決めます。
- 株式取得のために必要な資金や、社長交代の時に支給する退職金等も事前に検討しておきます。
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STEP02
現経営者と後継者の年齢を入力
- 計画書に年齢を書き入れると、事業承継の準備期間があまりないことに気づくかもしれません。現経営者が引退するまでに、どの位の期間があるのか「見える化」しましょう。
- リレー競技では後の走者にバトンを渡したら終わりです。しかし、中小企業では、現経営者と後継者が並走する期間として、4~5年程度は必要と言われています。
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STEP03
役職、持株、後継者教育 等
- 現経営者と後継者の役職を決めます。後継者がステップアップするために、どの分野をどのタイミングで経験するのかも重要な視点です。後継者の教育方針ともリンクする部分です。
- 後継者教育については、当金庫でもプログラムを用意していますので、ご活用ください。
- 現経営者から後継者に、自社株式を譲渡するタイミングを決めます。取得のための資金調達も同時に考えておきます。贈与税の納税が猶予される制度もあります。メリット、デメリットを考えて、制度の利用を検討します。
- 現経営者が行うべき重要な事項として、関係者の理解があります。後継者を決めたら、社内に周知します。取引先や金融機関への紹介も行いましょう。
- 事業承継にはこの他にも様々な準備事項がありますが、すべてのことを細かく計画する必要はありません。
「いつ頃までに何をすべきか」を考え、それを現経営者と後継者が共有しておくことが、事業承継計画書を作成する最大の目的です。
事業承継計画書フォーマットのダウンロード(Excel形式:29KB)
- 本書式は、 Microsoft Excel 97-2003 ワークシート (.xls)で作成されております。
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